実写版幽白における宗教的要素
こんにちは。
さて、「幽遊白書」という作品では、あまりに身近過ぎて忘れられがちながら、宗教的要素もかなり作品の本筋に関わります。
わかりやすいところですと、死後の人間があの世(霊界)で閻魔大王の審判を受けて死後の行き先が割り振られるというのも仏教的な死生観です。
これは最初から登場する概念ですので、そもそも「幽遊白書」の世界観は仏教ベースとも言えそうです。
幽助の師匠となる幻海師範も山奥の「寺」に住んでいます。
宗派は不明ながら、仏像が描かれたことがありますので仏教寺院でしょうし、ここにも仏教的な世界観の一端が見えると言えそうです。
また、終盤になりますが、雷禅が恋焦がれた食脱医師は、「密教屈指の術師」とされています。
ここも仏教、しかも現世利益的な傾向の強い密教ということで、宗教が現世に介入することが可能だという世界観が示されていると解釈して良さそうです。
さて、実写版「幽遊白書」が世界190ヶ国に向けて配信されるに当たり、↓
「幽☆遊☆白書」Netflixで実写シリーズ化決定!|シネマトゥデイ
これら宗教的な要素はどう扱われるのでしょうか?
結論から申しますと、世界観の根幹を形成しているこれら宗教的(具体的には仏教的)要素は、除去することは不可能だと断じていいと思います。
わざわざ隠したりすると、話の本筋がぼやけて見えなくなってしまうと考えられます。
特に食脱医師が戦う力はなくても、術師としては強力だった、というのは、あの時点での幽遊白書の哲学を指し示す重要な要素なので、これを除去するとは考えづらいのです。
しかし、現実問題として、仏教圏以外の地域では、異なる宗教に関して慎重に取り扱わないといけない事情がある場合も考えられます。
そういう国や地域に向けては、映像の中で宗教的シンボルは映さない(映っている場合はぼかしなどを入れるとか)などの措置を施した上で配信されるのではないかと推測されます。
そもそもNetflixが世界同時配信を決定した時点で、こういう問題に対処していない訳はないのですから、他宗教のタブーに触れない形は想定済みだと予想されます。
意外とこの辺は興味深い話でもあるように思えますし、ご興味のない方は特に考えなくても問題はないと思われますので、どちらにせよ幽白の楽しみが毀損されるような心配はないと断言していいと思います。